新年の佐々並市にて
あっという間に新年が明けました。
久々にまじめに伝建地区の保存修理現場研修会をやりました。
今回は、少しまじめに部屋に集まって
佐々並市の町並みや民家の特徴から、
今回の現場であるO家主屋の修理の概要について説明を受けてから現場に臨みました。
物件は、明治中期建築の農家で、空き家バンクでこの家を見つけたOさんが購入し、
リフォームに着手されました。
さすがに、築120年を超え、あちらこちらに傷みはありますが、
今では手に入らないような良質の材をふんだんに使って、
骨太に造られた木組みは頑丈なものです。
取り替えた通し柱に施された仕口に、明治の大工の仕事の確かさがうかがえます。
今回は、事前に説明を受けてから現場をみたためか、
具体的な改修の施工方法にまで話がおよびいい研修会になりました。
この主屋が終わったら、次はこの納屋です。
煙をモクモクと吐く姿は、宮崎駿のアニメに出てきそうな迫力です。
民家は生きている!
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旧小林家住宅内覧会
秋祭りも終わり、寒い季節がやってきました。
今回は、「佐々並おいでん祭」という地域の収穫祭のようなものにからんでみました。
舞台は、佐々並市伝建地区内の旧小林家住宅という民家です。
旧小林家住宅は、明治時代に建てられた町家で、当時は宿を営んでいたようです。
現在、萩市が取得して、来年度から佐々並市伝建地区の交流施設として整備がはじまります。
で、今回は、この整備の前のありのままの姿を「佐々並おいでん祭」に訪れた方に観てもらおうというものです。
整備前のあまりに、ありのままの姿過ぎてはいましたが、クイズラリーのチェックポイントにもなっていて、祭りの一部に組み込んでもらえました。
ちなみに、答えは①です。
今回の企画は、もうひとつ大事なことがあって、山口大学の内田研究室の学生の皆さんとのコラボ企画ということです。
当日のパンフの作成から、内覧会の案内まで6人の学生さんが活躍してくれました。
大学の建築の設計系の研究室に属していてる彼らが、こんな古ぼけた民家(←ごめんね)に失望しないか、心配でしたが、興味をもって楽しげに徘徊し、お客さんに説明する姿をみてともて嬉しく思いました。
内田研究室のホームページの見ると「地域固有の魅力を活かした建築をつくる」、「徹底的に場所にこだわる」、「サスティナブルな計画を考える」とあるので、その意味では、旧小林家住宅にそんなものを感じとってもらえたのかとも思っています。
彼らの活躍もあり、祭りの会場の外れにあったにも関わらず、66人の来場者がありました。
今回の企画はこちらの立ち上げが遅くて、内覧会のプログラム的には充実できませんでしたが、彼らのイキイキとした案内に助けられました。
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外堀の畔の古民家にて
先日の萩つくる会の総会は、あるお店の座敷で開催しました。
その時、わが会員の一人のT氏がおもむろに図面を広げました。
実はこのお店は、自分が駆け出しの頃に手がけたのものとのこと。
昭和36~37年にかけての日付があります。
表紙は、時の流れで茶色く変色していますが、
中身の図面はきれいなままです。
青焼きが時代を感じさせ、寸法も尺寸で入っています。
この図面で描かれた座敷が、まさに総会を開いた ↓ の座敷です。
この時代の村野藤吾や吉田五十八らが手掛けた料亭や住宅に通じる
伝統的な座敷でありながら、昭和のモダンな意匠や形態を組み入れた
明るい空間は、なかなか味わい深いものです。
縁側の外には、その時に造られたという庭園が熟成し、
他では得難い空間を獲得しています。
玄関部分の図面もあります。
格子枠から光が落ちる照明などは、図面通りですが、
飾り窓の障子の桟の割付が、図面と実物で異なっています。
どんなやりとりがあったのでしょうか…。
こうやって、図面と実物を見比べてみるといくつもの発見があります。
ちなみに、このお店はどこでしょうか?
答えは、畔亭(ほとりてい)です。
山口萩 庭園カフェ 畔亭|優雅にお庭を眺めてお食事を楽しんで頂ける地産地消のカフェ
外堀沿いにこんな感じで見えるお店です。
この建物の横には土蔵も残っていて、なんと夜はバーに…。
昭和モダンの座敷と庭園に会いに、ぜひ一度訪れてみて下さい。
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ひさびさの現場研修
映画の上映をしてから、気を抜いていたらあっという間に8月。
日々の生活を大切にしたいものです。
今回の現場研修会は、国指定史跡萩城城下町にある青木周弼旧宅。
昨年度から保存修理工事中です。
ちなみに、青木周弼は萩藩の医者で、蘭学にも通じ、日本で最初に種痘を実施した人物らしいですが、その甥の青木周蔵は、外交官として活躍し、建築学会(当時は造家学会)の創設にも関わり、最初の会長に就任しています。さらに、ちなみにその時の副会長が現在の赤坂の迎賓館(旧東宮御所)などを設計した片山東熊で、彼は萩出身。
建築の分野にも、近代日本の産業化に貢献した萩人脈があるんですね。
台風11号が迫り、前日まで開催が危ぶまれていましたが、この通り。
青空さえ見えました。
主屋は骨組だけとなり、これまでのさまざまな改修の履歴が確認できます。
大正期に台所が増築され、昭和期には座敷の背面に便所などが増築され、
さまざまな改変をしながら使い続けられてきたわけで、
そうした柔軟さが、古民家の魅力であり、奥深さだと感心します。
次に道路に面した離れである仲間(「なかま」ではなく、「ちゅうげん」と呼びます)部屋。
足場の外には、たくさんの観光客が歩いています。
こちらは、だいぶ工事が進んでいます。
」
新旧部材のコントラストが美しいです。
最後に、撤去部材が整理されている倉庫も見せてもらい、保存修理の全貌を堪能する研修会となりました。
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上映の報告
3月8日(土)に映画の上映が無事にできました!
こんな企画ははじめてで、どうなることやらヒヤヒヤでしたが、
午前中の上映に60数人、午後からの上映に90数人、
合計160数人の来場がありました。
企画した最初の集まりでは、50人は集めたいねと
言っていたことを思いだしました。
前売り券もよく売れたのですが、
嬉しかったのは、チラシなどみて当日に来られた方だけでも
20数人いたということです。
悲しかったのは、当日ドタバタで、ほとんど写真として記録できなかったことです。
こんなのしかありません↓ (涙)。
上映の裏舞台はこんな感じ。
左が昔からのオープンリールの映写機、
でも最近は右のようにデジタルの映写機が使われます。
映画に先立ち、映画にも登場する八女の建築士の中島さんと、
町家を借りてこの4月からゲストハウスを開く柴尾さんが来場し、
挨拶をしてくれました。
映画もとても面白かったです。
町家の再生に関わる人たちの素の姿が映し出されているですが、
そのたいへんさも喜びもとてもよく伝わってきました。
監督さんは、けっして単純な町家礼賛でもなく、
たんたんと映画監督として撮りながらも、
その町の町家に住む一住民でもあるから、
自分のこととして、家族のこととして、仲間のこととして撮っている・・・
そんなジャーナリスト的な引いた目と町家を愛する当事者としての熱い思いが、
交互に映し出される、その緊張感が楽しめました。
ありがとう八女、萩もぼちぼちですが、がんばるぞ。
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映画チケット販売について
町家再生ドキュメンタリー「まちや紳士録」のチケット販売を開始しました。
【チケット購入方法1】チケットは萩ツインシネマのカウンターで販売しています。
一枚 500円(前売り)です。
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【チケット購入方法2】
チケットメール予約
<事前> 次の項目について、明記のうえ、萩つくる会アドレス( hagitsukuru@gmail.com )にメールを送付して下さい。後日、いただいたメールアドレスに返信するかたちで、チケットのシリアルナンバーをお伝えします。
① 申込者氏名 / ② 所属・勤務先など / ③ チケット購入枚数
<当日> 少し早めにおいでいただき、映画館受付にて名前とシリアルナンバーをお知らせ下さい。
その場でチケットをお渡ししますので、前売り価格(500円)をお支払下さい。
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【チケット購入方法3】
また、この映画の後援先である下記の団体にご連絡いただければ、チケットがお手元に届くようにします。
映画後援先
萩市(文化財保護課)/浜崎しっちょる会/萩往還佐々並市どうしんてやろう会/公益社団法人萩市観光協会/萩東ロータリークラブ/萩ロータリークラブ/萩LOVE/NPO萩まちじゅう博物館/NPO萩観光ガイド協会/NPO萩みんなの図書館/一般社団法人山口県萩宅建協会/萩市建設業協会/萩左官業組合/萩建築会/一般社団法人山口県建築士会
上映は3月8日(土)午前10時~ と午後6時からの二回です。
映画の前後には、一階のカフェ・ジャンテーク3rdで、ラテでも飲んで、ちょっといい一日をどうぞ!
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映画は映画館で!
新年あけましておめでとうございます。
今年が皆様にとって良い年でありますように。
さて、前回告知したように萩ツインシネマという
コミュニティシネマ館で上映します。
現在は宮崎駿監督の引退作? 「風たちぬ」を上映しています。
昨年のNHKドラマ「はじまりの歌」で萩と縁の深い
春先に向けて上映されます。
その次が、わが「まちや紳士録」と言うと
恐縮ですが・・・。
みなさん、意外に知らなかったでしょ?
まめにチェックすれば、結構、いい映画やってますので、見に行って下さいね。
ツインシネマの上映については
「非公式サイト 萩ツインシネマが好きっ」
http://twincinema39.jugem.jp/(
多分、知ってても相当の間、行っていない人が多いと思うので、
ちょっと紹介すると、エントランスはこんな感じで、
内部もこんな感じ、
イスもリニューアルされていて、
特に後部の青いイスは寝心地最高?です。
ちなみに、1階にはジャンテーク3rdという喫茶店です。
映画を待ちにここでコーヒーを飲んで、映画を観る。
大人な休日を萩で過ごしてみて下さい。
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映画上映します!
萩には映画館があります。
山口県内でも映画館は少なくなってきました。
残る映画館もいわゆる全国チェーンのシネコンばかり。
そんな中、萩ツインシネマは、その名も
「萩ツインシネマを支える1000人の仲間の会」によって
支えられている市民シアターです。
で、萩つくる会では、この萩ツインシネマで映画を上映することにしました。
その名も「まちや紳士録」。
萩と同じように古い町並みが残る福岡県八女市福島伝建地区で町並み保存に
奮闘する人たちの活動を描いたドキュメンタリーです。
萩つくる会は、この八女で活動するNPO法人町家再生応援団や八女町家デザイン研究会と昔から交流がありました。彼らの活動は、先進的であり、情熱的であり、いつも私たちの目標です。なかなか、同じスタイルではかないそうもありませんが…。
この映画をできるだけたくさんの萩の人に観て欲しいと思います。
とりあえず、上映日だけ、まず覚えてください。
2014年3月8日(土)です。
新年の手帳に記入しておいて下さい。
また、随時、PRやっていきますので、よろしくね。
追伸 そうそう正月あけから、萩ツインシネマでは
萩出身の漫画家さん原作の「東京シャッターガール」とい映画もやるそうですよ。
http://www.tokyo-shutter-girl.net/
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まちを「伝える」
この夏にはNHKの特集ドラマ「はじまりの歌」の舞台として萩の町並みが全国に発信されました。画面でみると、毎日みている風景がまるで違って見えます。多分、外から萩に来る人の目には、このように見えるんだろうな、と思いました。
さてさて、もうご覧になられたとは思いますが、萩の町並みを写したCMが全国放送され始めました。
いいなCM 大和ハウス 共創共生 「萩市・伝える」篇 - YouTube
※ CMのリンクについては、ダイワハウスの許可を得ています。
どうですか?
何かうれしく、何か誇らしく、にんまりしてしまいます。
人口とか経済力とか利便性とかでは、全国の話題にのぼることはありませんが、
この古びた町並みとそこに暮らす毎日の生活の佇まいの美しさに関しては、こうして全国から注目を浴びる存在のようです。まぁ、毎日、そんなこと考えて生活していませんが・・・。
ダイワマン、ならぬダイワハウスは、それを「伝える」と題しています。
私たちが先人からもらった町並みを、私たちの子供たちにも伝えたいものです。
そうそう、明倫小学校も・・・。
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