近くの古民家
近くの遊園地じゃありませんが、観光客のみなさんが訪れる萩の古民家も、まあ、いつでも行けるからいいやという感じで、実はなかなか行く機会がなかったりします。
南古萩町にある「俥宿 天十平」もそのひとつ。
久しぶりに、中にまで踏み込んで、至福の時を過ごさせてもらいましたので、おすそわけです。
門をくぐり、庭に出ると主屋が見えてきます。
主屋は、もともとは江戸期の建築だそうで、明治に入ってから大改修がされたとのこと。確かに、古いのですが、よく手入れが行き届いています。
縁側から上がらせてもらうと、アレ、竹林が・・・。
民家の奥行きをうまく使った作品が迎えてくれます。内部に入ると続き間の建具を外して、一室使いした展示スペース。置いているひとつひとつの食器やアクセサリーが、渋い光を放ち、この空間に映えています。
ほんとにモノに引き込まれます。多分、きれいなショールームで見ていても、こうはなんらないんだろうな・・・。
せっかくなので、別棟の喫茶でアイスミルクティーを飲みました。大正期に増築された応接室で、かつては、産婦人科の診察室にも使われていたこともあるとか。
窓から差し込む光も心地良く、まさに至福の空間です。
江戸時代の武家の屋敷に明治から大正に改修や増築が加えられ、今の所有者がこれらに磨きをかけて住みこなされています。東京に行けばクールな建築空間は多々あるけど、このクールさは萩のここでしか造れないクールさです。
おまけ この屋敷の西側には小路があります。雨の後には、この石積みから庭に降った雨が浸みだしてきます。
コンクリートで固めた擁壁だと、ただ側溝に流される雨も、少しずつ浸み出して外に還されていくのを見ているとエコロジーだとかじゃなくて、ただただ美しく感じます。その浸み出た水が流れ込む溝には、カニがたくさん住んでいます。
- yo -