はぎまちブログ

このブログは山口県萩市の古い町並みに残る古民家の住み継ぎを考える「萩つくる会」の活動を紹介しています。

ひさびさの現場研修

映画の上映をしてから、気を抜いていたらあっという間に8月。

日々の生活を大切にしたいものです。

今回の現場研修会は、国指定史跡萩城城下町にある青木周弼旧宅。

昨年度から保存修理工事中です。

ちなみに、青木周弼は萩藩の医者で、蘭学にも通じ、日本で最初に種痘を実施した人物らしいですが、その甥の青木周蔵は、外交官として活躍し、建築学会(当時は造家学会)の創設にも関わり、最初の会長に就任しています。さらに、ちなみにその時の副会長が現在の赤坂の迎賓館(旧東宮御所)などを設計した片山東熊で、彼は萩出身。

建築の分野にも、近代日本の産業化に貢献した萩人脈があるんですね。

 

台風11号が迫り、前日まで開催が危ぶまれていましたが、この通り。

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青空さえ見えました。

 

主屋は骨組だけとなり、これまでのさまざまな改修の履歴が確認できます。

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大正期に台所が増築され、昭和期には座敷の背面に便所などが増築され、

さまざまな改変をしながら使い続けられてきたわけで、

そうした柔軟さが、古民家の魅力であり、奥深さだと感心します。

 

次に道路に面した離れである仲間(「なかま」ではなく、「ちゅうげん」と呼びます)部屋。

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足場の外には、たくさんの観光客が歩いています。

こちらは、だいぶ工事が進んでいます。

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新旧部材のコントラストが美しいです。

 

最後に、撤去部材が整理されている倉庫も見せてもらい、保存修理の全貌を堪能する研修会となりました。

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