外堀の畔の古民家にて
先日の萩つくる会の総会は、あるお店の座敷で開催しました。
その時、わが会員の一人のT氏がおもむろに図面を広げました。
実はこのお店は、自分が駆け出しの頃に手がけたのものとのこと。
昭和36~37年にかけての日付があります。
表紙は、時の流れで茶色く変色していますが、
中身の図面はきれいなままです。
青焼きが時代を感じさせ、寸法も尺寸で入っています。
この図面で描かれた座敷が、まさに総会を開いた ↓ の座敷です。
この時代の村野藤吾や吉田五十八らが手掛けた料亭や住宅に通じる
伝統的な座敷でありながら、昭和のモダンな意匠や形態を組み入れた
明るい空間は、なかなか味わい深いものです。
縁側の外には、その時に造られたという庭園が熟成し、
他では得難い空間を獲得しています。
玄関部分の図面もあります。
格子枠から光が落ちる照明などは、図面通りですが、
飾り窓の障子の桟の割付が、図面と実物で異なっています。
どんなやりとりがあったのでしょうか…。
こうやって、図面と実物を見比べてみるといくつもの発見があります。
ちなみに、このお店はどこでしょうか?
答えは、畔亭(ほとりてい)です。
山口萩 庭園カフェ 畔亭|優雅にお庭を眺めてお食事を楽しんで頂ける地産地消のカフェ
外堀沿いにこんな感じで見えるお店です。
この建物の横には土蔵も残っていて、なんと夜はバーに…。
昭和モダンの座敷と庭園に会いに、ぜひ一度訪れてみて下さい。
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