旧小林家住宅修理現場研修会
去る3月6日(日)に佐々並市伝建地区内で現在、改修工事が進められている旧小林家住宅の修理現場研修会を行いました。
旧小林家住宅は、明治時代に建てられた旅館建築の主屋と大正時代になってから増築された土蔵、昭和14年頃に増築された離れからなる複合建築です。
概要は以前のブログで紹介しています。
昨年の秋から工事がはじまり、屋根瓦が降ろされ、外壁が取り払われ、床も撤去され、まあ、丸裸の状態です。
毎度、思いますがコンクリートも鉄骨も使わず、木組みと土と石でよくもこれだけしっかりとできるもんだと思います。
壁のススや柱や梁に残る数多くの痕跡から建物の元のカタチや歴史が分かってきます。
「痕跡」という言葉は最近、テレビの刑事ものや探偵もので鑑識が使う用語として耳にしますが、まさに建物の痕跡からその時の様子が浮かびあがる様は謎の時のようなものです。
こちらは、痕跡図と言って、柱や梁に残る細工の跡やキズなどの情報を図にまとめたもので、これを組み合わせると・・・こんな風に昔の間取りが復原できたりします。
土蔵の方では、既に修理が始まっています。
長年の湿気などで傷んだ足元の部材を取り去り、新しい部材と古い部材を「継ぎ手」と呼ばれる技術で組み合わせると、こんな風になります。
まさに繕い仕事ですが、なぜか美しいです・・・。そして、また100年後に受け渡されることになります。
研修は今後も続けていきます。
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